2、薬は怖い

先ずは2週間分処方され飲んでみた。多分効いているんだろうなと思う程度だった。すぐ治ると思い仕事に復帰(2日間休息)したところ、「なんか不安だな…、またみんなの前で倒れたらどうしよう…、恥ずかしいな…」等と考えるようになってしまった。するとどんどん焦り始め動悸、めまい、ふらつきが出るようになり「やばいやばい」と焦り、パニックの様な症状が出るようになってしまった。薬を飲めば治るんだと薬に頼るようになってしまい、薬で落ち着かせる日々が続いた。

私はルート営業なのでホテルに宿泊しながらお得意様を訪問していくという営業スタイルである。外勤中は何も起こらないだろうと思っていたが、外でも症状が出るようになってしまった。「お客さんの前で倒れたらどうしよう…、問屋さんの前で何か起こったらどうしよう…」と考えるようになってしまい、不思議な事にそう考えると実際に起こってしまうんだと実感した事がある。いつも通り問屋さんへ行き話をしていると、突然不安感が出てきて会話もろくに出来なくなってしまった。しかし病気を知られたくないのでさっさと話を切り上げ車に戻った。車に戻ると一人の世界なので落ち着くような気がしていた。

しかし、車の中なら平気だろうと思っていたのについに「運転中に何か起こったらどうしよう…」と思うようになってしまった。免許を取って16年運転が怖いなんて思った事はなく、むしろ趣味がドライブだったのに…と自分でもショックだった。もうどこにいても不安感が付き纏ってくるようになってしまい薬が手放せなくなってしまった。そのことを主治医に相談したところ更に薬が追加になりパキシルを処方された。自分でも「これを飲めば楽になれる。」と思うようになってしまい薬が手放せなくなってしまった。