9、いよいよ復職

遂に復職当日を迎えた。約10ヶ月休職させていただいていたので復帰出来るか、昔のようにバリバリ働けるかが心配だった。そんな事を考えながら超満員の中央線で会社へ向かっていた。私の会社は秋葉原にオフィスがある。改札を抜けるとオフィスへ向かい歩き出した。その間も大丈夫かな?みんな病人を見る目だったら嫌だな…、馴染めるかな…、気を使われるかな…などの不安を抱えながら向かっていた。

そして会社に着き扉を開け、大きめな声で「おはようございます」と言いながら自分の席へ座った。皆さんからは久しぶり!元気だった?働けるようになったんだね!と優しく声を掛けてもらえたお陰で少し気が楽になった。始業時間になったら皆さんに挨拶をしようと準備していたが上司から挨拶はしなくていいと言われそのまま業務に入った。緊張や周りの目を気にしているのは自分だけで、周りは人に興味がないんだなと感じ、自分も周りを気にしすぎないようにしようと思った。

業務は最初の1ヶ月は身体を慣らすための時短勤務となっている。最初の2週間は9:00‐12:00、次の2週間は9:00‐15:00、最後は9:00‐17:50と徐々に慣らしていった。初めは外勤にも出ず机の整理や製品勉強ばかり行い、記憶を取り戻す為に1日2製品ほどテストを行った。3週間ほど経つと身体も慣れ早く外勤に移りたいと思えるようにもなってきたが、いきなり負荷を掛けるとまた潰れてしまう可能性があるとの事で、主治医から外勤許可を出してもらえず残りの期間何をしたら良いのかとモヤモヤしていた。

会社へは基本電車で通勤するが満員電車で気持ち悪くなったり、急にこの中で倒れたらどうしよう…、誰か助けてくれるのかな…、やっぱり今日は行きたくないな…、会社で具合悪くなってまた救急車になったら嫌だな…とネガティブ思考が治っていなかった。その為、途中駅で降りてしまったり無駄な思考で自分を苦しめていた。「自分の心の傷をえぐる事はやめましょう。」と本を読んだのでネガティブ思考が浮かんだら他の事に意識を向けたり、怖いですが気持ちと向き合ったりし対処していた。この思考が治らないと外勤には戻れないと分かった。そんなこんなしているうちに1ヶ月の慣らし勤務が終わり外勤に出れることになった。